W800は、平成28年度の排ガス規制等によって2016年に発売されたファイナルエディションを最後に生産終了となりました。
2017年からは「EURO4(2016年度版)」の排ガス規制をクリアしていないバイクは生産してはいけない事になり、W800は生産が終了してしまったのです。
なぜ生産終了になったのかは以下で詳しくご紹介致します。
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【無料】買取価格をチェックする排ガス規制のおかげでW800の価値は上昇中?
カワサキスピリットを正当継承する人気のクラシックバイクW800の生産終了を惜しむファンの声は多く、バイク業界ではこぞってW800を求めている動きがみられます。参考にしたいのは以下のグラフ。ヤフオク!の落札相場とバイク比較.comの買取相場を比較したものをご覧ください。
W800の相場の推移 | 2018年3月 | 2018年4月 | 2018年5月 |
ヤフオク!の平均落札価格 | ¥500,000 | ¥510,000 | ¥523,000 |
バイク比較.com買取相場 | ¥508,666 | ¥527,500 | ¥535,000 |
W800の相場を独自調査していたところ、過去の売却履歴まで追ってみていくと結果は表のとおり、徐々に相場が上がっている事がわかりました。W800の価値は確かに上がっていることが分かります。
人気のW800がなぜ生産終了になってしまったの!?
W800を生産終了に追い込んだ排ガス規制って何?
規制の名称 | 対象 | モード | CO | THC |
EURO3(2006年~) | 排気量150cc未満 | UDC | 2.0 | 0.8 |
排気量150cc以上 | UDC+EUDC | 2.0 | 0.3 | |
EURO3 | 最高速度130km未満 | WMTC | 2.62 | 0.75 |
最高速度130km以上 | WMTC | 2.62 | 0.33 | |
EURO4(2016年~) | 最高速度130km未満 | WMTC | 1.14 | 0.38 |
最高速度130km以上 | WMTC | 1.14 | 0.17 | EURO5(2020年~) | 全車種 | WMTC | 1.0 | 0.1 |
W800は、1960年代に発売されその後爆発的な人気となったカワサキの伝説的バイクW1〜W3シリーズをルーツに持っている、バーチカルツインエンジンが特徴のネオクラシックスタイルのモデルです。
その始まりは1999年に発売されたW650で、歴代に弟分のエストレヤ、W400、W800と排気量別にラインナップされていたこともありファンも多いことでしょう。
そんな歴史ある人気モデルが、なぜ生産終了という事態になってしまったのでしょうか。
それは2016年10月に施行された排ガス規制、EURO4のせいにほかなりません。
従来の規制からして大幅に、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、窒素酸化物(NOx)といった成分を削減しないといけなくなったのです。
W800は2011年、前回の排ガス規制のときに消えてしまったW650、W400の後継車としてフューエルインジェクションを搭載したW800になり復活、いったんは生産を続けることが出来ていました。
この変更のおかげでしばらくはW800の生産は続くものだとファンは安心したことでしょう。
ところがそんなカワサキの企業努力もむなしく、W800は今回の厳しすぎるEURO4の規制には適合することができませんでした。
そんな事情から、W800は2016年ファイナルエディションをもって生産できなくなってしまったのです。
近い将来W800は復活できるの!?
今回のW800ファイナルエディションをもって生産終了という悲しいアナウンスが発表されたのは2016年7月のことでした。
しかしこの発表と入れ違いで、なんとカワサキ・インドネシアのニューモデルとして、W800のインドネシア仕様車が発売されたのです。
出典:product.kawasaki-motor.co.id/prdcdetail-105-w800.html
どうやらカワサキはW800の生きる道を日本からインドネシアへと移し、新たな道を切り開いた模様です。
また2017年にはインドでもW800インド仕様車が発売されました。 こちらの仕様はインドネシア仕様とほぼ同様のようです。
そして日本でのW800ファイナルエディションの新車価格は92万円ですが、インドネシア仕様車は現地価格を円換算すると208万円だそうです。
インドネシアではかなり高級車の扱いとなってしまったW800ですが、こちらの売れ行き次第ではカワサキがまた国内仕様のW800の後継車開発に着手する日が来るかもしれませんね。
W800を高く売るなら価値が上がっている今がベスト
カワサキW800の現在の価値(2018年1月末)は以下のように高騰しています。 本格的なバイクシーズンに突中する3月までは高水準のままだと予想されます。 乗り換えや売却をご検討中なのであれば、今が良いタイミングですよ。
メーカー希望小売価格 | 販売店の中古平均価格 | ヤフオク上位落札価格 | バイク買取での最高額 |
925,560円 | 777,000円 | 554,000円 | 634,964円 |
最も「バイクらしさ」が残るバイクとしてW800が大きな注目を浴びている事を忘れてはいけません。苦くも排ガス規制によって生産終了を余儀なくされてしまったW800ですが、これをきっかけに、W800の価値が見直されているからです。
そのため、「昔のW800は良かった」と多くの人に認知されている今が、最も高く売るための良い時期なのです。実際の価値は予想したり調べるよりも、複数の買取業者に見てもらうほうが正確です。愛車の価値を一度確かめてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックするカワサキがW800を生産中止にした本音のところは!?
カワサキが人気車種W800生産終了の決定を下した理由として、他には以下が考えられます。
● 2018年10月に全てのバイクにABSの義務化が決まっているから
W800を規制対応させるためには大幅なコスト高に
W800はファイナルエディションでも新車価格92万円と、珍しいベベルギア駆動のバーチカルツインで随所にコダワリのパーツを搭載している割にはコストパフォーマンスが良いビッグバイクです。
しかしW800を今回の規制に対応させるためには大幅な改良が必要なため、そうなれば必然的にコスト高を招いてしまうでしょう。
現在カワサキは、ZRX1200やエストレヤ、Dトラッカーなど消えていく名車がある一方で、積極的にニューモデルもどんどん投入しています。
W800に改良コストをかけて車体価格を高くして販売し往年のファンをガッカリさせるくらいなら、W800ファイナルエディションで有終の美を飾らせつつも一旦リセットしようとカワサキは考えたのではないでしょうか。
ABSの義務化が2018年10月に控えていた
全てのバイクが2018年10月にABSの標準装備が義務化されるのをご存知でしょうか。
2018年にはABS(アンチロックブレーキシステム)の義務化による車体価格の上昇が考えられるのです。以下はABSが装着されたバイクのホイールです。
出典:news.yahoo.co.jpbylinesagawakentaro20141205-00041213
ABSを装着すれば車体価格は平均して「5万円」あがると言われています。
前述しましたが、W800は豪華装備を搭載したファイナルエディションでも新車価格が92万円と、そのクオリティのわりにはコストパフォーマンスの良いビッグバイクです。
ABS標準装備はカワサキにとって、手の届きやすい新車価格が人気だったW800を、高めに価格設定しなければならなくなるネックになったのではないでしょうか。
ただABSは価格があがるデメリットよりも、急ブレーキによる事故を減らす事ができるメリットのほうが大きいです。
もしW800がフルモデルチェンジすることになって、ABSがついたとしても、5万円で安全なバイクライフが実現すると受け止めて良いと思います。
生産終了になって更に価値が高まったW800の売り時は今!
W800はカワサキの名車W1〜W3シリーズをルーツに持つ、歴史と伝統にあふれた人気モデルです。
日本での生産を終了し、遠く離れたインドネシアやインドで新境地を切り開いたのは悲しいことですが、今後アジアでW800ファンが増えてくれれば、また日本でも後継車が販売されるかもしれません。
Wの名の継承にふさわしくW800ファイナルエディションは、往年の名車650RS-W3の外観をまとって発売され、カワサキファンの間で大きな話題となっています。
あなたのバイクの価値を知るためには?
バイクの相場は一体いくらになっているのでしょう?衝撃的な排ガス規制があってから、多くのバイクの価値が上昇傾向にあります。そのため、本当に価値が上がっているかどうかは実際に査定してみないとわかりません。一括査定をつかって愛車の価値を調べてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックする【年代別】カワサキW800の歴史を振り返ろう!
1966年カワサキ650-W1「当時としては最大排気量だった画期的なダブワン」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w1.html
ダブワンの愛称で今でも呼ばれている当時国内最大排気量として華々しくデビューした650-W1です。
1966年カワサキ650-W2「英国デザインの車体にバーチカルエンジン、メグロの独特なクランクケースは北米でも話題に」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w3.html
W2はダブワンと同時期に発売された輸入仕様車です。
1973年カワサキ650RS-W3「前輪にデュアルディスクブレーキを採用ダブサン」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w3.html
ダブワンの改良型として発売されたダブサン、650RS-W3です。
1999年W650「ネオクラシック、ネオレトロの草分け的存在W650」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w650.html
美しいオートバイの創出というコンセプトで復活したW650です。
2006年W400「ライバルはSR400やCB400SSだったW400」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w400.html
自己主張のあるモーターサイクルというコンセプトのもとW650の弟分として開発されました。
2011年W800「海外輸出向モデルとしてヨーロッパで先行発表されたW800」
出典:bike-lineage.org/kawasaki/w/w800.html
美の継承というコンセプトのもと排ガス規制で消えたW400とW650の後継車として開発されました。
2016年W800ファイナルエディション
出典:www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/w800/
1973年に登場した650RS-W3を彷彿とさせるカラーとエンブレムを採用しています。
塗装段差の少ない4度塗りの高級塗装は塗装工程までW3と同様という徹底ぶりです。
W800のスペック
以下では、W800の最終型の基本的なスペックについてご紹介いたします。
諸元 | W800 |
平均新車価格/平均中古価格/買取相場 | 925,560円/777,000円/634,964円 |
全長[車長] | 2180mm |
全幅[車幅] | 790mm |
全高[車高] | 1075mm |
車両重量 | 216kg |
ホイールベース | 1465mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 790mm |
燃料タンク容量 | 14L |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
定地燃費(2名乗車時) | 33km/L(60km/h・国土交通省届出値) |
排気量 | 773cc |
最高出力 | 35kW |
最大トルク | 6.3kgm |
最大トルク回転数 | 2500rpm |
最高出力回転数 | 6500rpm |
エンジン始動方式 | セルフスターター式 |
点火装置 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) |
クラッチ形式 | 湿式・多板 |
変速機形式 | 常噛5段リターン |
フレーム型式 | ダブルクレードル |
キャスター角 | 27° |
トレール量 (mm) | 108.0 |
懸架方式(前) | テレスコピックフォーク |
懸架方式(後) | スイングアーム式 |
W800のカスタムやメンテナンスの基本規格
内容 | W800 |
点火プラグ標準搭載・型式 | CR8E |
搭載バッテリー・型式 | YTX12-BS |
エンジンオイル容量※全容量 (L) | 3.20L |
エンジンオイル量(オイル交換時) (L) | 2.70L |
エンジンオイル量(フィルター交換時) (L) | 2.90L |
推奨エンジンオイル(SAE粘度) | 10W-40 |
ブレーキ形式(前) | 油圧式ディスク |
ブレーキ形式(後) | 機械式リーディングトレーリング |
タイヤ(前) | 100/90-19 |
タイヤ(後) | 130/80-18 |
ホイールリム形状(前) | MT 2.15 |
ホイールリム形状(後) | MT 2.75 |
ヘッドライトタイプ(Hi) | H4 |
カワサキのサービスマニュアルでは以下が推奨となっています。
初回1か月または1,000km、以降1年毎または6,000km毎
■オイルフィルター交換:
初回1か月または1,000km、以降1年毎または18,000km毎
一般的には、オイル交換2回につき1回フィルターを交換すると良いと言われていますが、カワサキは3回に1回でOKであるとお墨付きを出しています。
交換サイクルが不安な方は、カワサキの推奨頻度も参考にされると良いと思います。