エストレヤは、平成28年度の排ガス規制等によって2017年6月に発売されたファイナルエディションを最後に生産終了となりました。
2017年9月1日からは「EURO4(2016年度版)」の排ガス規制をクリアしていないバイクは生産してはいけないことになり、エストレヤは生産が終了してしまったのです。
なぜ生産終了になったのかは以下で詳しくご紹介致します。
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【無料】買取価格をチェックする排ガス規制のおかげでエストレヤの価値は上昇中?
ドメスティッククラシック代表であるエストレヤの生産終了を惜しむファンの声は多く、バイク業界ではこぞってエストレヤを求めている動きがみられます。参考にしたいのは以下のグラフ。ヤフオク!の落札相場とバイク比較.comの買取相場を比較したものをご覧ください。
エストレヤの相場の推移 | 2018年3月 | 2018年4月 | 2018年5月 |
ヤフオク!の平均落札価格 | ¥170,309 | ¥172,030 | ¥173,552 |
バイク比較.com買取相場 | ¥186,000 | ¥187,000 | ¥191,000 |
エストレヤの相場を独自調査していたところ、過去の売却履歴まで追ってみていくと結果は表のとおり、徐々に相場が上がっている事がわかりました。エストレヤの価値は確かに上がっていることが分かります。
エストレヤ生産終了についてのニュース
エストレヤ生産終了の原因:排ガス規制(EURO4)の影響
規制の名称 | 対象 | モード | CO | THC |
EURO3(2006年~) | 排気量150cc未満 | UDC | 2.0 | 0.8 |
排気量150cc以上 | UDC+EUDC | 2.0 | 0.3 | |
EURO3 | 最高速度130km未満 | WMTC | 2.62 | 0.75 |
最高速度130km以上 | WMTC | 2.62 | 0.33 | |
EURO4(2016年~) | 最高速度130km未満 | WMTC | 1.14 | 0.38 |
最高速度130km以上 | WMTC | 1.14 | 0.17 | EURO5(2020年~) | 全車種 | WMTC | 1.0 | 0.1 |
クラシカルでオシャレな雰囲気と小回りが利く乗りやすさが人気で、1992年の発売からずっとクラシックシングルのトップに君臨してきたエストレヤが、なぜ生産終了という事態になってしまったのでしょうか。
それは2016年10月に施行された排ガス規制、EURO4のせいにほかなりません。
従来の規制からして大幅に、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、窒素酸化物(NOx)といった成分を削減しないといけなくなったのです。
カワサキが誇る人気モデルとしてその売り上げにも随分と貢献してきたエストレヤですが、排ガス規制のたびに、過去にも何度も生産終了の噂がささやかれていました。
しかし2007年、規制をクリアするためにカワサキは思い切ってキャブレターだったエストレヤをフューエルインジェクションへと変更したのです。
この変更のおかげでしばらくはエストレヤの生産は続くものだとファンは安心したことでしょう。
ところがそんなカワサキの企業努力もむなしく、エストレヤは今回の厳しすぎるEURO4の規制には適合することができませんでした。
そんな事情から、エストレヤは2017年9月1日から生産できなくなってしまったのです。
エストレヤ復活の可能性は?
カワサキはエストレヤの生産終了の発表前、すでに『W800』『ZRX1200』『Dトラッカー』『KLX250』の生産終了を発表していました。
そして満を持してエストレヤの生産終了と、ファイナルエディションの発売に踏み切ったのでした。
これは人気モデルであるにもかかわらず、泣く泣くの生産終了となってしまうエストレヤに、有終の美を飾らせようというカワサキの心があったのではないでしょうか。
エストレヤのファイナルエディションはカワサキが誇る往年の名車W3、ダブサンのグラフィックをモチーフにしたタンクペイント、前後クロームフェンダーと合わせてとても上品でモダンクラシカルなテイストになっています。
まるでカワサキの心がぎゅっとつまったモデルのようで、ファイナルエディション以降に新たなエストレヤが開発されそうな雰囲気は今のところありません。
エストレヤを高く売るなら価値が上がっている今がベスト
カワサキエストレヤの現在の価値(2018年1月末)は以下のように高騰しています。 本格的なバイクシーズンに突中する3月までは高水準のままだと予想されます。 乗り換えや売却をご検討中なのであれば、今が良いタイミングですよ。
メーカー希望小売価格 | 販売店の中古平均価格 | ヤフオク上位落札価格 | バイク買取での最高額 |
575,640円 | 446,000円 | 216,166円 | 283,685円 |
最も「バイクらしさ」が残るバイクとしてエストレヤが大きな注目を浴びている事を忘れてはいけません。苦くも排ガス規制によって生産終了を余儀なくされてしまったエストレヤですが、これをきっかけに、エストレヤの価値が見直されているからです。
そのため、「昔のエストレヤは良かった」と多くの人に認知されている今が、最も高く売るための良い時期なのです。実際の価値は予想したり調べるよりも、複数の買取業者に見てもらうほうが正確です。愛車の価値を一度確かめてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックするカワサキがエストレヤをギリギリまで生産した理由
2017年8月をもって生産を終了したエストレヤですが、規制自体は2016年に決まっていました。
カワサキは1年の猶予期間をもって出来る限りエストレヤを生産した理由を以下の内容からご紹介致します。
● 2018年10月に全てのバイクにABSの義務化が決まっているから
2017年モデルとファイナルエディションの発表に時差がなかった
実はエストレヤは2017年2月にニューモデル2種類とスペシャルエディションが発表されたばかりだったのです。
それからたったの4カ月でファイナルエディションと生産終了が発表されるなんて誰も予想しなかったでしょう。
きっとカワサキは、ニューモデルとファイナルエディションを時差なく発表することで少しでも注文数を増やし、それによってなるべく多くエストレヤを生産して在庫にしたかったのではないでしょうか。
バイクらしいバイク、名車と言われるエストレヤを、生産終了後もなるべく多くのライダーに楽しんでもらいたいというカワサキの思いがひしひしと伝わるようです。
ABSの義務化が2018年10月に控えていた
全てのバイクが2018年10月にABSの標準装備が義務化されるのをご存知でしょうか。
2018年にはABS(アンチロックブレーキシステム)の義務化による車体価格の上昇が考えられます。
以下はABSが装着されたバイクのホイールです。
出典:news.yahoo.co.jpbylinesagawakentaro20141205-00041213
ABSを装着すれば車体価格は平均して「5万円」あがると言われています。
エストレヤは新車価格が53万円、ファイナルエディションが新車価格が57万円と、そのクオリティのわりにはコストパフォーマンスの良い中型バイクです。
ABS標準装備はカワサキにとって、手の届きやすい新車価格が人気だったエストレヤを、高めに価格設定しなければならなくなるネックになったのではないでしょうか。
ただABSは価格があがるデメリットよりも、急ブレーキによる事故を減らす事ができるメリットのほうが大きいです。
もしエストレヤがフルモデルチェンジすることになって、ABSがついたとしても、5万円で安全なバイクライフが実現すると受け止めて良いと思います。
まとめ
25年もの長い間にたくさんのファンを楽しませてくれたエストレヤ。
BSAやトライアンフ、カワサキのW650を彷彿とさせるレトロモダンでビンテージライクなその外観は、オシャレな女性からベテランライダーまで多くの人を虜にしてきました。
高性能や環境配慮ばかりが優先される最近のバイク界において、いかにも『バイクらしいバイク』としての認知度、知名度は生産終了となった今でも抜群です。
なのでまだまだエストレヤの楽しさを求める往年のファンの需要も多いため、エストレヤの価値はどんどん値上がりしていくことでしょう。
あなたのバイクの価値を知るためには?
バイクの相場は一体いくらになっているのでしょう?衝撃的な排ガス規制があってから、多くのバイクの価値が上昇傾向にあります。そのため、本当に価値が上がっているかどうかは実際に査定してみないとわかりません。一括査定をつかって愛車の価値を調べてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックするエストレヤのカスタム
エストレヤのカスタム「カフェレーサー」タイプ
特徴:セパハン仕様でとにかくスピード感を求めたカスタム
出典:www.wmpdt.co.jp/kawasaki/estrella/tank/tank.html
出典:www.wmpdt.co.jp/kawasaki/estrella/tank/tank.html
シングルのカスタムといえば「カフェレーサー」ですよね。
カフェレーサーというのは1960年代イギリス発祥の、カフェを起点に若者がこぞって公道レースをしていた時代のブリティッシュバイクを再現したカスタムスタイルです。
エストレヤのカスタム「スクランブラー」タイプ
特徴:レトロなスタンディングポジションのオフロードカスタム
出典:goto-ya.com/kawasaki/kawasaki-estrella-sclambler-joints2017/
出典:goods-co.net/products/detail.php?product_id=104111
「スクランブラー」とはDucatiの伝統的なモデルが起源だそうですが、元はオンロードタイプをダートなオフロードで走行できるように改造したものだそうです。
エストレヤの兄弟車種カワサキTR250のほうが一見フレーム構造がスクランブラー向きのようですが、エストレヤでも素敵に仕上がります。
エストレヤのカスタム「ボバー」タイプ
特徴:ブロックタイヤでレトロな味付けをしたナローチョッパー
出典:boat-rap.com/completed/completeEstrella05.html
出典:boat-rap.com/completed/completeEstrella06.html
「ボバー」は最近流行っているストリートシーンで人気の若者向けのカスタムです。
ナローハンドルやショートテール、ナロータンクでギュっとミニマムな外装バランスに仕上げてブロックタイヤでレトロレーサー感を演出したスタイルです。
エストレヤのカスタム「チョッパー」タイプ
特徴:純正の無駄な所をそぎ落としてビルドアップするハードカスタム
出典:customfront.jp/custombike/custom054/
出典:flakes.blog37.fc2.com/blog-entry-422.html
「チョッパー」はアメリカで1970年代ごろから始まった、ただ部品を交換するだけのカスタムではなく、フレームやテールを切ったり貼ったりするハードなカスタムスタイルです。
ハードテールやスイングアーム、マウント位置変更など、エストレヤチョッパーはとても手がかかっています。
エストレヤのカスタム「トラッカー」タイプ
特徴:トラックレースを走るオールドレーサーをモチーフにしたカスタム
出典:flakesmotorcycle.com/estrella%E3%80%80tracker/
出典:wmpdt.co.jp/kawasaki/estrella/tank/tank.html
「トラッカー」はアメリカのトラックを周回するレースを走行するオールドレーサーを再現した最近人気のカスタムです。
見た目の軽快さを出すために各部品を軽量化しているので乗りやすく扱いやすいスタイルです。
エストレヤのスペック
以下では、エストレヤ最終型の基本的なスペックについてご紹介いたします。
エストレヤとはスペイン語で「星」で、五感でバイクを操る楽しみを感じて欲しいというコンセプトから誕生しました。
カワサキの往年の名車メグロのエンジンをモチーフにした250ccのシングルで、心地良い鼓動感とライトな取り回し特性が老若男女問わず人気です。
クロームメッキパーツをフェンダーやヘッドライトに取り入れクラシカルなイメージを確立しています。
諸元 | エストレヤ |
平均新車価格/平均中古価格/買取相場 | 575,640円/446,000円/283,685円 |
全長[車長] | 2075mm |
全幅[車幅] | 755mm |
全高[車高] | 1055mm |
車両重量 | 161kg |
ホイールベース | 1410mm |
最低地上高 | 170mm |
シート高 | 735mm |
燃料タンク容量 | 13L |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
満タン航続距離 | 507.0km |
排気量 | 249cc |
最高出力 | 13kW 18PS |
最大トルク | 18Nm 1.8kgm |
最大トルク回転数 | 5500rpm |
最高出力回転数 | 7500rpm |
エンジン始動方式 | セルフスターター式 |
点火装置 | バッテリ&コイル |
クラッチ形式 | 湿式・多板 |
変速機形式 | 常噛 5段リターン |
フレーム型式 | セミダブルクレードル |
キャスター角 | 27°00′ |
トレール量 (mm) | 96.0 |
懸架方式(前) | テレスコピック(インナーチューブ径 39mm) |
懸架方式(後) | スイングアーム(オイルショック) |
エストレヤのカスタムやメンテナンスの基本規格
内容 | エストレヤ |
点火プラグ標準搭載・型式 | DR9EIX |
搭載バッテリー・型式 | YTX9-BS |
エンジンオイル容量※全容量 (L) | 2.0 |
エンジンオイル量(オイル交換時) (L) | 1.8 |
エンジンオイル量(フィルタ交換時) (L) | 2.0 |
推奨エンジンオイル(SAE粘度) | 10W-40 |
ブレーキ形式(前) | シングルディスク |
ブレーキ形式(後) | ドラム(リーディングトレーリング) |
タイヤ(前) | 90/90-18M/C 51P |
タイヤ(後) | 110/90-17M/C 60P |
ホイールリム幅(前) | MT 1.85 |
ホイールリム幅(後) | MT 2.15 |
ヘッドライトタイプ(Hi) | H4 |
エストレヤのエンジンオイルは走行3000キロごとに交換しましょう。
エンジンオイル容量は2.02Lですが、交換容量は約1.7Lになります。
オイルフィルターは オイル交換2回に1回のペースで交換しましょう。
エアクリーナーフィルターは1万キロに1回交換しましょう。
プラグは5000キロに一回交換が推奨されていますが、かかりが悪くなったら交換しましょう。
ブレーキフルードは1万キロもしくは1年で交換しましょう。