FTR223は、平成28年度の排ガス規制等によって2016年を最後に生産終了となりました。
2017年からは「EURO4(2016年度版)」の排ガス規制をクリアしていないバイクは生産してはいけない事になり、FTR223は生産が終了してしまったのです。 今回の排ガス規制はあまりに厳しい規制でした。生産されていたバイクの50%以上がラインナップから姿を消す事態になりました。
なぜ生産終了になったのかは以下で詳しくご紹介致します。
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【無料】買取価格をチェックする排ガス規制のおかげでFTR223の価値は上昇中?
250クラスのストリートバイク代表であるFTR223の生産終了を惜しむファンの声は多く、バイク業界ではこぞってFTR223を求めている動きがみられます。参考にしたいのは以下のグラフ。ヤフオク!の落札相場とバイク比較.comの買取相場を比較したものをご覧ください。
FTR223の相場の推移 | 2018年3月 | 2018年4月 | 2018年5月 |
ヤフオク!の平均落札価格 | ¥65,826 | ¥68,414 | ¥70,515 |
バイク比較.com買取相場 | ¥70,000 | ¥72,000 | ¥75,000 |
FTR223の相場を独自調査していたところ、過去の売却履歴まで追ってみていくと結果は表のとおり、徐々に相場が上がっている事がわかりました。FTR223の価値は確かに上がっていることが分かります。
人気のFTR223がなぜ生産終了になってしまったの!?
規制の名称 | 対象 | モード | CO | THC |
EURO3(2006年~) | 排気量150cc未満 | UDC | 2.0 | 0.8 |
排気量150cc以上 | UDC+EUDC | 2.0 | 0.3 | |
EURO3 | 最高速度130km未満 | WMTC | 2.62 | 0.75 |
最高速度130km以上 | WMTC | 2.62 | 0.33 | |
EURO4(2016年~) | 最高速度130km未満 | WMTC | 1.14 | 0.38 |
最高速度130km以上 | WMTC | 1.14 | 0.17 | EURO5(2020年~) | 全車種 | WMTC | 1.0 | 0.1 |
FTR223は、兄弟車種の軽二輪スポーツバイクCB223Sと同様に国内最後の空冷単気筒キャブレター仕様のエンジンのモデルとして、若者を中心に絶大な人気となったストリートバイクブームを長く支えてきました。
そしてFTR223とCB223Sは、1970年のCB90をルーツに持つシンプルな機構のエンジンなので、今となってはとても希少な存在となっています。
そんな希少モデルが、なぜ生産終了という事態になってしまったのでしょうか。
FTR223を生産終了に追い込んだ排ガス規制って何?
それは2016年10月に施行された排ガス規制、EURO4のせいにほかなりません。
従来の規制からして大幅に、COs(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、窒素酸化物(NOx)といった成分を削減しないといけなくなったのです。
FTR223は、2007年のマイナーチェンジで排出ガス規制対応のためキャブレターのセッティング変更、排気ガスを浄化する触媒装置をエキゾーストパイプ内とマフラー内にそれぞれ採用することで当時の基準をクリア、いったんは生産を続けることが出来ていました。
この変更のおかげでしばらくはFTR223の生産は続くものだとファンは安心したことでしょう。
ところがそんなホンダの企業努力もむなしく、FTR223は今回の厳しすぎるEURO4の規制には適合することができませんでした。
そんな事情から、FTR223は2017年から生産できなくなってしまったのです。
FTR223の復活は近い将来?これからどうなるの?
希少な4ストローク223ccの空冷単気筒にキャブレターを搭載したシンプルな内燃機構と、扱いやすい車体サイズで今なお多くのライダーから支持を得ているFTR223ですが、今後ホンダから後継機種は発売されるのでしょうか?
FTR223は、2000年9月の発売以来、本格的なフラットトラッカースタイルや、足着き性や取り回しに優れた車体サイズなどで、当時の20代の若者を中心にストリートバイクブームを支えてきたモデルです。
しかし現在人気があるバイクの主流は、スーパースポーツやフルカウルスポーツといわれるロードスポーツモデルです。
ストリートバイクブームを支えてきたFTR223は、メーカーが開発費用をかけてもう一度販売したいと思うほど主力の商品ではなくなったという点では復活はなかなか見込めないのが現状でしょう。
FTR223を高く売るなら価値が上がっている今がベスト
ホンダFTRの現在の価値(2018年1月末)は以下のように高騰しています。 本格的なバイクシーズンに突中する3月までは高水準のままだと予想されます。 乗り換えや売却をご検討中なのであれば、今が良いタイミングですよ。
メーカー希望小売価格 | 販売店の中古平均価格 | ヤフオク上位落札価格 | バイク買取での最高額 |
421,200円 | 201,000円 | 130,522円 | 80,587円 |
最も「バイクらしさ」が残るバイクとしてFTR223が大きな注目を浴びている事を忘れてはいけません。苦くも排ガス規制によって生産終了を余儀なくされてしまったFTR223ですが、これをきっかけに、FTR223の価値が見直されているからです。
そのため、「昔のFTR223は良かった」と多くの人に認知されている今が、最も高く売るための良い時期なのです。実際の価値は予想したり調べるよりも、複数の買取業者に見てもらうほうが正確です。愛車の価値を一度確かめてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックするホンダがFTR223を生産中止にした本音のところは!?
ホンダが人気車種FTR223生産終了の決定を下した理由として、他には以下が考えられます。
● 2018年10月に全てのバイクにABSの義務化が決まっているから
FTR223は空冷エンジンにこだわりがあった
空冷エンジンで排ガス規制を通すのは一般的に水冷エンジンより難しいと言われています。
FTR223のルーツは1984年と1985年にホンダがアメリカのAMAフラットトラックにおいてメーカー・ライダーチャンピオンを獲得したFTR250です。
このFTR250はXLR系の空冷RFVCの4バルブエンジンを採用していて、とても優れた特性を持つエンジンでした。
なのでこの歴史的な流れを背景に持つFTR223は、空冷エンジンであることにとてもこだわりがあるのです。
そんな空冷エンジンへのこだわりを変更しファンの期待を裏切るくらいなら、FTR223の生産をいったん終了にしたほうが良いと、ホンダは判断したのではないでしょうか。
ABSの義務化が2018年10月に控えていた
全てのバイクが2018年10月にABSの標準装備が義務化されるのをご存知でしょうか。
2018年にはABS(アンチロックブレーキシステム)の義務化による車体価格の上昇が考えられるのです。以下はABSが装着されたバイクのホイールです。
出典:news.yahoo.co.jpbylinesagawakentaro20141205-00041213
ABSを装着すれば車体価格は平均して「5万円」あがると言われています。
FTR223はスタンダードタイプの新車価格が40万円と、そのクオリティのわりにはコストパフォーマンスの良いスポーツバイクです。
ABS標準装備はホンダにとって、手の届きやすい新車価格が人気だったFTR223を、高めに価格設定しなければならなくなるネックになったのではないでしょうか。
ただABSは価格があがるデメリットよりも、急ブレーキによる事故を減らす事ができるメリットのほうが大きいです。
もしFTR223がフルモデルチェンジすることになって、ABSがついたとしても、5万円で安全なバイクライフが実現すると受け止めて良いと思います。
FTR223の価値はこれからどうなる?上がる?下がる?
バイクは車とは違い、生産が終了すると価値の差がはっきりと別れる乗り物です。よく耳にする「プレミア」の意味と同じです。価値が上が要因は様々です。FTR223の場合はどうでしょうか?
初心者受けするバイクなので需要がある
FTR223は、街中での扱いやすさを重視したセッティングに加え、足つき性の良さもあり、気軽に楽しめるバイクとして小柄な女性やバイク初心者でも運転しやすいため、まだまだファンの心を引き付けています。そのため生産終了したからといって極端に価値が下がることはありません。
別名:CRF230Fとして海外で生産されている
また海外では、CRF230Fとして競技用と公道用のオフロード車両がブラジルで生産されています。海外使用を国内に輸入するほどFTR223は国内での中古在庫が少ないわけではありません。まだまだ台数がおおいFTR223を高く売却するためにはタイミングが重要になるでしょう。
規制前のFTR223は速い、軽い、安い、壊れない
FTR223への信頼の高さは有名です。そして安くて手に入りやすいのも特長です。もともと中古価格が安い中で高く売ることは少々難しい部分がありますが、走行距離が少なく年式が若ければ可能性は十分にあることを覚えておいて損はありません。
生産終了になって更に価値が高まったFTR223の売り時は今!
ストリートバイクブームという新しいジャンルを築いた中心車種として多くの若者の注目を集めたFTR223。
同じカテゴリに相当するスズキのグラストラッカー(ビッグボーイ)やST250、カワサキのエストレヤなども新たな排ガス規制、騒音規制に対応しないため生産終了となってしまいました。
しかしホンダがこだわったFTR223の空冷単気筒エンジンは、高性能や環境配慮ばかりが優先される最近のバイク界においていかにも『バイクらしいバイク』として認知されていて、知名度は生産終了となった今でも抜群です。
なのでまだまだFTR223の楽しさを求める往年のファンの需要も多いため、FTR223の価値はどんどん値上がりしていくことでしょう。
あなたのバイクの価値を知るためには?
バイクの相場は一体いくらになっているのでしょう?衝撃的な排ガス規制があってから、多くのバイクの価値が上昇傾向にあります。そのため、本当に価値が上がっているかどうかは実際に査定してみないとわかりません。一括査定をつかって愛車の価値を調べてみてはいかがでしょうか。
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【無料】買取価格をチェックするFTR223のカスタムをご紹介します!
FTR223のカスタム「カフェレーサー」タイプ
セパハン仕様でとにかくスピード感を求めたカスタム
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=19
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=15
シングルのカスタムといえば「カフェレーサー」ですよね。
カフェレーサーというのは1960年代イギリス発祥の、カフェを起点に若者がこぞって公道レースをしていた時代のブリティッシュバイクを再現したカスタムスタイルです。
FTR223のカスタム「スクランブラー」タイプ
レトロなスタンディングポジションのオフロードカスタム
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=18
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=28
「スクランブラー」とはDucatiの伝統的なモデルが起源だそうですが、元はオンロードタイプをダートなオフロードで走行できるように改造したものだそうです。
FTR223の兄弟車種ホンダCB223Sのほうが一見フレーム構造がスクランブラー向きのようですが、FTR223でも素敵に仕上がります。
FTR223のカスタム「ボバー」タイプ
ブロックタイヤでレトロな味付けをしたナローチョッパー
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=16
出典:heiwa-mc.jp/show/?id=53
「ボバー」は最近流行っているストリートシーンで人気の若者向けのカスタムです。
ナローハンドルやショートテール、ナロータンクでギュっとミニマムな外装バランスに仕上げてブロックタイヤでレトロレーサー感を演出したスタイルです。
FTR223のカスタム「チョッパー」タイプ
純正の無駄な所をそぎ落としてビルドアップするハードカスタム
出典:faction.jp/gallery/4297
出典:faction.jp/gallery/2805
「チョッパー」はアメリカで1970年代ごろから始まった、ただ部品を交換するだけのカスタムではなく、フレームやテールを切ったり貼ったりするハードなカスタムスタイルです。
ハードテールやスイングアーム、マウント位置変更など、FTRチョッパーはとても手がかかっています。
FTR223のカスタム「トラッカー」タイプ
トラックレースを走るオールドレーサーをモチーフにしたカスタム
出典:easyriders.jp/gallery/ns/ftr/ftr223_re/index.html
出典:easyriders.jp/gallery/ns/ftr/ftr223_br/index.html
「トラッカー」はアメリカのトラックを周回するレースを走行するオールドレーサーを再現した最近人気のカスタムです。
元々のルーツがトラックレーサーであるFTRの良いところを最大に生かせるスタイルがトラッカースタイルとも言えるでしょう。
見た目の軽快さを出すために各部品を軽量化しているので乗りやすく扱いやすいスタイルです。
FTR223のスペックをご紹介します!
以下では、FTR223の最終型の基本的なスペックについてご紹介いたします。
諸元 | FTR223 |
平均新車価格/平均中古価格/買取相場 | 421,200円/201,000円/80,587円 |
全長[車長] | 2080mm |
全幅[車幅] | 830mm |
全高[車高] | 1090mm |
車両重量 | 128kg |
ホイールベース | 1395mm |
最低地上高 | 175mm |
シート高 | 780mm |
燃料タンク容量 | 7.2L |
燃料供給方式 | キャブレター |
満タン航続距離 | 441.0km |
排気量 | 223cc |
最高出力 | 12kW |
最大トルク | 1.8kgm |
最大トルク回転数 | 5500rpm |
最高出力回転数 | 7000rpm |
エンジン始動方式 | セルフスターター式 |
点火装置 | CDI式バッテリー点火 |
クラッチ形式 | 湿式多板コイル・スプリング |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン |
フレーム型式 | セミダブルクレードル |
キャスター角 | 25.45° |
トレール量 (mm) | 84.0 |
懸架方式(前) | テレスコピック式 |
懸架方式(後) | スイングアーム式 |
FTR223のカスタムやメンテナンスの基本規格
内容 | FTR223 |
点火プラグ標準搭載・型式 | DPR8EA-9 |
搭載バッテリー・型式 | YTX5L-BS |
エンジンオイル容量※全容量 (L) | 1.2L |
エンジンオイル量(オイル交換時) (L) | 1.0L |
推奨エンジンオイル(SAE粘度) | 10W-30 |
ブレーキ形式(前) | 油圧式ディスク |
ブレーキ形式(後) | 機械式リーディングトレーリング |
タイヤ(前) | 120/90-18 65P |
タイヤ(後) | 120/90-18 65P |
スプロケットサイズ(ドライブ前) | 13T |
スプロケットサイズ(ドリブン後) | 42T |
ヘッドライトタイプ(Hi) | H4 |
ホンダでは3000km毎、または1年に一回のどちらかで、エンジンオイルの交換を推奨しています。
FTRのドレンキャップはアルミ製で締め付けトルクが一般のバイクと異なります。
締付けトルクにさえ気を付ければ、FTRのオイル交換作業は非常に簡単です。
● 一般的なバイクのドレンボルト規定トルク:23N・m(2.3kgf・m)
FTR223はシンプルな機構なのでメンテナンス性にも優れており、ほぼ全ての整備を自身で行うことができます。