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バイクのレンタルが人気のワケとは?買うより借りる便利さを徹底解説!

バイクのレンタルが人気のワケとは?買うより借りる便利さを徹底解説!
ライター名
バイク比較 (ばいくひかく)
バイク比較.com 編集長| ホンダ / NSR250R
バイク歴10年。今まで売ったバイクは10台以上。事故歴3回。バイク比較.comのコンテンツを制作している。修理が趣味で、休日はガレージから出てこない。2児の父。焦げ付いたスパークプラグが宝物。

バイクのレンタルをご存じですか? クルマを借りるならレンタカーがありますよね。バイクも同じです。レンタルバイクは東京、大阪、名古屋、北海道など全国各地で取り扱っています。そんな使い勝手に優れたバイクのレンタルを徹底解説します。

レンタルバイクが増えた背景

レンタカーは、ほぼ全国47都道府県に各メーカーなどの店舗がありますよね。ビジネスや観光などで一度は利用された人も多いかと思います。実はバイクにもレンタルがあります。もちろん、レンタカーのように、多くの店舗数ではありませんが、毎年のように増えています。

レンタルバイクが増えた背景は、大別して2つ挙げられます。

1980年代のバイクブーム全盛期を経験した世代が、再びバイクに乗るケースです。もう一つは30代以下の若年層が購入するというよりも、必要に応じて借りるという価値観の変化です。スキー・スノーボードのレンタルの延長線上に、レンタルバイクがあるという感じです。

日本自動車工業会が2015年に発表した「二輪車市場動向調査」があります。それによると、二輪ユーザーの平均年齢が52.9歳です。バイクに乗っているのは、ミドルエイジの人たちが多いということです。一方で1999年度に二輪車の需要台数が100万台を割り、85万6,000台に減少しています。少子化の影響もあり、免許取得者数も減少しています。

▽普通二輪・大型二輪免許の取得者数
・1999年:33万9,000人
・2004年:32万5,000人
・2009年:30万2,000人
・2014年:27万人

※出典:警察庁の運転免許統計

普通・大型二輪の免許の取得者数が減っています。ところが、普通二輪免許保有者で10代が30%、20代が26%、30代が28%も大型二輪免許へのステップアップを希望しています。この潜在的な需要が、レンタルバイクの活性化になっているのです。さらに、2016年の自動二輪車の生産台数は2年ぶりに上昇に転じて、56万536台を数えました。

※出典:http://www.jama.or.jp/industry/two_wheeled/two_wheeled_1t1.html

レンタルバイクを利用する主な理由

こんなことありませんか? 北海道に行くと、壮大な大自然の中、昔乗っていた人ならバイクに再び乗りたい衝動に駆られるのでは、と思います。レンタルバイクの需要は、潜在的な人も含めて、多くあります。バイクをレンタルする主な理由を挙げてみました。

たまにバイクにのりたい派

バイクを手放したが、休日などにたまに乗りたくなるケース。バイクの維持・管理が大変なので、必要に応じてバイクをレンタルする。気分転換したいときに、思い切りバイクを走らせたいというケースも。

ツーリング時に使いたい派

各地の観光スポットなどに出かけるツーリング時だけバイクをレンタルしたいケース。バイクの良いとこどりです。普段は原付派だが、大型バイクを所有する有人・知人のツーリングに合わせて、普通・大型のレンタルバイクを利用するパターンも。

免許はあるけどお金がない

特に学生を中心とした若年層に多くあるケースです。アルバイトなどで購入資金がためるまで、バイクをレンタルするケースです。バイクにお金をかけたくない人も、スポット的にレンタルバイクを利用することも。この場合、脱ペーパーライダーと言うべきでしょうか。

自宅にバイク置き場やスペースがない

このケースはよくありがちです。多くのパターンは結婚時や子どもが生まれたときなど、ライフスタイルの変化によるものです。郊外の戸建ならともかく、都心部のマンションではバイク置き場がないケースが多くあります。

バイクをレンタルするケースは、ライフスタイルによる影響が大きくなります。都心部のマンションでは、駐車場でも全戸数分を確保することが困難な状況です。駐輪場は自転車専用でバイクは原付まで、というケースがほとんどです。このため、バイクに乗りたくても乗れない状況にいる人が多くいます。

レンタルバイクを借りる方法

バイクをレンタルすることが決まったら、どのような手順が必要なのか見ていきましょう。全国には東京、大阪、名古屋、九州、北海道など全国各地にレンタルバイク店があります。手続きは各店舗によって若干の違いこそありますが、基本的にほぼ同じです。当然ですが、手続きは購入するより、はるかに簡単です。

▽用意するもの
・運転免許証
・レンタルバイクの費用

運転免許証は当然ですが、支払い方法に若干の違いがあります。レンタルバイク店によっては、初めて利用する際にクレジットカード決済が必要になることもあります。バイクを貸す側にとって、初めてのお客さんは実績がありません。バイクは高額商品でもあるため、信用と安心を担保できるクレジットカードで決済するケースがあります。注意するポイントは、20歳未満の利用ができない店舗もあるので要確認です。

クレジットカードがなければ、運転免許証以外の現住所や本人を確認できる書類(健康保険証、パスポート、3カ月以内に発行された住民票、公共料金の領収書など)が必要なケースもあります。

▽借りる手順
1.電話やメールで希望日や車種などを伝えて予約する
2.予約金が必要なら指定された方法で入金する
3.レンタル料金を支払う(予約金はレンタル料金に充当される)
4.レンタル当日に店舗で約款などを確認
5.スタッフと一緒にバイクのキズや破損状況を確認し、書類に署名

借りるときはガソリンが満タンなので、返却時に満タン返しが基本になります。返却の際にもスタッフと、キズや破損状況を確認し、異常がなければこれで終了です。レンタルバイクは、レンタカーを利用するときとほぼ同じ手順になります。特別なことはありませんのでご安心ください。

保険は多くの場合、人身・対物無制限、搭乗者傷害、車両保険料込みのレンタル料になっているケースが多いです。盗難保険は保険料の支払いが割高になるため、通常のケースで設定ないケースが多いです。

手ぶらでOK。ヘルメットなどのレンタルも

実はレンタルバイクって、レンタカーを利用するのと違い、めんどうくさい問題があります。ヘルメットをかぶらなければ道路交通法違反になるし、グローブやブーツも安全性を高めるためにも必要です。

レンタルバイクを利用するときに、店舗までの移動で電車やバスを使えば、負担が大きくなります。ヘルメットは重いし、かさばるし、できることなら持ち歩きたくないですよね。グローブだけならいいんですが。

そこで、ヘルメットをはじめ、体に身につけるグローブや手袋などをセットにしたレンタルもあります。このほか、ワイヤーロック、ツーリング用のバッグなどをレンタルしてくれる店舗もあります。

レンタルバイクの店舗は通常、お客さんのクルマやバイクの保管場所がありません。公共交通機関などを利用するしかありません。もしくは、店舗近く駐車場・バイクの専用駐車場を探すしかありません。だからこそ、ヘルメットなどのバイク用品もレンタルしてくれる店舗がおすすめです。

▽バイク用品のオプション料金の目安
・ヘルメット:1日1,000円前後(2日目以降は1日につき200円前後)
・グローブ:1日300円前後(2日目以降は1日につき100~200円)
・ワイヤーロック:1日200円前後(2日目以降は1日につき100円前後)

※出典:https://www.rental819.com/rental-fee/

レンタルバイク店では、ヘルメットも同じく有料でレンタルできるケースが数多くあります。これなら、店舗までわざわざ持ち歩く必要がありません。普通はバイクを持っていないからレンタルで利用するのであって、付属用品のレンタルも併せて利用できる店舗が必須です。

買うより借りる方がお得なこと

バイクを所有しても、通勤・通学で利用する以外なら、保険料、税金、駐車場、整備・修理費用などランニングコストがかかります。もちろん、購入となると、バイク本体の購入費用もありますよね。趣味やレジャーでバイクを保有するなら、レンタルでバイクを利用するのも、費用を抑えた一つの方策です。

▽ホンダCB1100を1回(8時間)利用した場合
①レンタルしたときの料金=合計19,100円
・車両のレンタル料=14,900円
・車両保険(任意)=3,200円
・オプション用品(ヘルメット)=1,000円
②購入したときの料金
・車両本体(2012年製)=99万7500円
・2年ごとにかかる車検費=約20,000円
・毎年の軽自動車税=6,000円

※出典:https://www.rental819.com/rental-fee/

ホンダCB1100を購入すると、約100万円かかります。レンタルバイクだと上記を例にして1回当あたり20,000円です。1週間で1回のペースでレンタルすると、約50回分として100万円となります。2週間に1回のレンタルで約2年分です。

購入すると、任意保険が年齢などによって年間4万~10万円かかります。さらに、整備費用やバイク置き場を借りると、プラス年間で10万~20万円になります。それを考えると、購入することを考えてしまいます。

もちろん、毎日のように通勤・通学をCB1100でするなら、購入するのがベストです。北海道や東北などの降雪地に住んでいるなら、11月~4月の5カ月以上は、物理的に乗れません。その間、バイク置き場の料金を払っているなら、もったいない気がします。非降雪地にお住まいでも冬になると、どうしてもバイクに乗る回数が減少傾向にもなりますよね。

バイク購入時におけるありがちなこと

バイクを購入すると、なかなか違う車種に乗る機会がありません。マイバイクは愛着もわき、とことん乗り込んでいく楽しみもあります。何十年の同じバイクに乗っている人を見ると、いかにバイクを大事にしているのかが分かります。ビンテージバイクも素晴らしい味があります。

ただ、購入したはいいけど、どうもしっくりこない、というようなケースも耳にします。こればっかりは、実際のカタログや説明を聞いて理解していても、よくあるケースなんです。十人十色ではありませんが、バイクも同じです。クルマもそうですが、同じ車種、同じ工場のラインで生産されてもあることです。

このような場合、我慢して乗り続けるか、売却して違う車種を購入するかの選択になります。通常のケースでは、購入時の価格よりも、売却価格の方が下なので売却損が派生します。我慢して乗り続けるのもつらいですよね。

▽購入時の主なネガティブ事例
・乗ってみると、イメージが違った
・エンジン特性が好みじゃなかった
・気になる新車がリリースされた

レンタルバイクなら、自分に合わなければ、次回から違う車種にすればいいだけのことです。我慢して乗り続けることもありません。購入すると、バイクをレンタルするより、さまざまな面でリスクがあるということです。

原付から大型まで豊富なラインナップ

バイクをレンタルするメリットは、免許さえあれば、乗れる車種のレパートリーが豊富だということです。大型二輪免許を保有していれば、まさに「大は小を兼ねる」状態で、選び放題・乗り放題になります。

シチュエーションに応じてチョイスする楽しみもあります。ロングツーリングなら大型バイク、スポーツ走行なら性能重視、林道ツーリングならオフロード、のんびり走りたいならスクーターもいいですよね。だいていのレンタルバイクの店舗では、原付から大型まで多種多様なラインアップで、顧客ニーズに応えています。

ツーリングやスポーツ走行などのタイプに加え、実用的な車種も用意しています。出前用のバイクが故障した場合も、それに対応できる車種を取りそろえています。レジャーからビジネスユースまで、幅広く対応できるのがレンタルバイクのメリットの一つです。

レンタルバイクの車種例

▽50CC=免許種別(原付)
・ホンダタクトベーシック
・ホンダジャイロキャノピー
・ホンダDIO
・ヤマハJOG ZR
・スズキレッツ2G
・スズキアドレスV50
▽51~125cc=免許種別(普通二輪小型限定)
・ホンダPCX
・ホンダリード125
・スズキアドレスV125
・カワサキD-トラッカー125
・カワサキKSR110
・カワサキKLX125
・ヤマハN=MAX
▽126~400cc=免許種別(普通二輪)
・ヤマハAerox 155R VERSIO
・カワサキニンジャ250SL
・ヤマハマジェスティ250
・ヤマハドラッグスター250
・KTM 390DUKE
・ホンダCB400SF
・ホンダCBR400R
・カワサキニンジャ400 スペシャルED
・ヤマハMT-03
▽401cc~=免許種別(大型二輪)
・ハーレーXG750
・ヤマハXSR900
・ヤマハV-MAX
・ホンダCB1100RS
・ホンダCB750
・ホンダVFR800X
・ホンダCB1300スーパーボルトルABS
・BMW C650 Sport
・カワサキニンジャ1000 ABS

レンタルバイクは豊富なレパートリーがあります。大型二輪免許があれば、選択肢が広がります。特に憧れのハーレーやBMWにだって乗ることができます。原付でも普通二輪の免許でも、それぞれに楽しむことができます。気分によって、バイクをチョイスするのもアリです。

最新モデルに乗ることができる

バイクをレンタルするのは、いろいろな種類のマシンに出合える楽しみがあります。中でも一番のおすすめは、最新のバイクに乗れる可能性もあることです。実はレンタルバイクの醍醐味は、新車に乗れることも大きいのです。

1980年代の全盛期に比べて大幅に減少していますが、二輪新聞によると、国内メーカーのホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキを合わせて年間で50台以上の新モデルがリリースされています。排気量は原付から大型までを含めた数です。

毎年3月に東京ビッグサイトでバイクの国内最大の祭典「東京モーターサイクルショー」が開催されます。2018年で45回を数えるこの祭典は、入場者が底堅いのです。確かにバイクの全盛期に比べて入場者は減っていますが、最近ではかなりの勢いで盛り返しています。

▽東京モーターサイクルショーの入場者数の推移
2013年:入場者110,168人・出展社141
2014年:入場者113,830人・出展社122
2015年:入場者132,249人・出展社121
2016年:入場者132,575人・出展社121
2017年:入場者146,495人・出展社155

※出典:http://www.motorcycleshow.org/history/44/

2017年の第44回東京モーターサイクルショーは、前年よりも入場者と出展社が大幅に増えました。出展車両も約1割増の592台です。バイクの新車の関心が非常に高いことがうかがえます。

これが、レンタルバイク業界にも波及しているのです。各レンタルバイク店では、PR効果もあるため、必ずといっていいほど、毎年のように新型モデルを投入してきます。実績のあるレンタルバイク店では、バイクメーカーの販促活動として、最新モデルを無償提供するケースもあります。

なので、新型モデルの発売と同時に、既にレンタルバイク店に現車があるなんて状況も普通にあります。人気モデルはクルマと同じように、納車まで数カ月ということもあります。それを考えると、レンタルバイク店でひと足早くインプレッションもできちゃいます。

ということもあり、バイクをレンタルする人は、必ずしもバイクを持っていない人とは限りません。バイクをしっかり保有している人でも、レンタルバイクで最新のマシンに乗っているケースも実は多いのです。バイクを保有する人なら当然、最新モデルやトレンドにも敏感です。

購入前に試し乗りで比較することができる

最新モデルはいち早くメディアなどで紹介されます。これはクルマと同じですよね。インターネットや雑誌などで、元国際A級のGPライダーのインプレッション記事などが、にぎやかになります。購入を検討している人なら、欠かさずチェックするはずです。

なんといっても、文房具や食品を購入するのと違い、高額商品ですから真剣にチェックします。もちろん、バイクの専門家による評価はとても参考になります。ただ、これが全ての人にとって当てはまるかは、なんとも言えません。

メーカーから広告宣伝費が出ていれば、辛口のコメントはできないですよね。媒体によっても同じことが言え、同じく宣伝費が出ていれば、メリットしか書きません。これでは、公平なインプレッション記事になりにくいのが現実です。

それだったら、レンタルバイク店で自ら試してみることもできます。バイクをレンタルする目的は、レジャーやビジネス以外にも、購入前の試し乗りで使えるのです。例えばコーナーで実際の回頭性は、体感しないと分かりません。低速トルクもある、などという記述も実際に乗ってスロットルを握ってみないと、なかなか感じづらいものです。

新型モデルは、人気車種でもあるので、予約待ちの状況かもしれません。店舗によっては、扱っていないケースもあります。レンタルバイクのメリットの中に、新型モデルのバイクをレンタルして、購入前に自身でチェックできる可能性があることも知っておいて損はありません。

ミドルエイジの方々は青春がよみがえる?

現状のバイク業界のニーズは、ミドルエイジを抜きに語れません。これはレンタルバイク需要にとっても同じことです。1980年代のスパルタンな車種が続々とリリースされていた時期を知っている世代です。

輸入車の馬力の自主規制がない時代は、各社で凄まじいパワー合戦を展開していました。現在の大型二輪免許は指定教習所で取得できますが、当時は運転免許試験場でしか取得できず、合格率が5%以下の時代です。「限定解除」とも言われ、当時はリッターバイク(排気量1000cc以上)に乗っていれば、隣の車線のいる白バイ隊員もリスペクトしたほどです。

そんな時代を経験しているミドルエイジは、リターンライダーとも呼ばれます。多くの諸先輩方は既に、バイクを手放していますが、レンタルバイクで再びあの時代を思い起こす人も多いのです。ホンダのCB1300系やヤマハのV-MAXなどは、まさにミドルエイジにとってドンピシャの車種なんです。

だいていの人は、結婚や子どもの誕生などのライフスタイルの変化で、バイクを手放しています。子どもが独立したり、定年退職などでレジャーを楽しむ余裕ができた世代にとって、バイクに乗る人も多いのです。そのとっかかりが、レンタルバイクということなんです。 特に注目される地域は、やはり北海道です。若年層は自らの居住地区からバイクを運転し、フェリーで北海道にやってきます。気力と体力があるからこそできる芸当で、50代になればかなりきついです。

そこで、ミドルエイジは航空機などで北海道にわたって普通に観光しながら、レンタルバイクでスポット的に北海道を走るというパターンです。現在、レンタルバイクが全国的な広がりを見せているからこそできるワザで、多くのミドルエイジライダーが、青春時代を満喫するとともに、北海道ツーリングを楽しんでいます。

海外でレンタルバイクを利用する方法

バイクをレンタルして楽しむのは、国内だけにとどまりません。海外でもレンタルバイクがあります。アメリカのハーレーはもちろん、ドイツのBMW、イタリアのドゥカティやモト・グッチ、フランスのベスパなど、日本のレンタルバイク店のラインアップとはひと味違います。

そこで、ちょっと気になるのが免許制度の違いになります。基本的に日本の免許証でアメリカで運転することができず、その逆も同じです。どうするのかというと、国際運転免許証を取得することになります。居住地の警察署などで申請・発行をしてくれます。

国際運転免許はパスポートを一回り大きくしたサイズです。「ジュネーブ交通条約締結」に批准している国・地域間で取り決めた国際的なルールに基づいて発行されます。ただ、日本の二輪免許が海外でどのような区分になるのかが重要です。

▽日本の二輪免許種別
・原付=排気量~50ccまで
・普通二輪小型限定~125ccまで
・普通二輪~400ccまで
・大型二輪401cc~(AT限定は650ccまで)
▽アメリカの二輪免許種別
・M2=~150cc
・M1=排気量の制限なし
▽ヨーロッパ(EU圏内)
・AM=~50ccまで(最高速度が45Km以下のバイク)
・A1=~125ccまで(最高出力が15馬力以下)
・A2=排気量の制限なし(最高出力が47.6馬力以下)
・A=排気量、最高出力の制限なし

タイはバイクの免許区分が1つしかなく、これで全ての排気量を運転できます。つまり、日本の普通二輪小型限定以上の保有者は、全てのバイクを運転できます。もちろん、ジュネーブ交通条約の締結国です。日本の普通二輪があれば、排気量の制限を受けず、対象国でバイクをレンタルできる可能性が高いのです。

タイのように東南アジアの各国・地域は、日本やEUのように免許が細分化されていません。道路の整備がされていない個所も多く、東南アジアの各国・地域では、クルマよりもレンタルバイクの需要の方が多くあります。特に日本や韓国製のスクーターをレンタルするバイク店が数多くあります。

インバウンドにも人気のレンタルバイク

最近の傾向として、バイクをレンタルするのは、日本人に限らずインバウンド(訪日外国人)が増えています。背景にはインバウンドの増加が挙げられます。2020年東京五輪・バラリンピック開催を控え、インバウンドは空前の増加となっています。

▽過去5年のインバウンド数
2012年:836万8,000人
2013年:1,036万4,000人
2014年:1,341万4,000人
2015年:1,943万7,000人
2016年:2,403万9,000人

※出典:http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

2012年は1,000万人に届かなかったインバウンドですが、わずか5年の間に約3倍になっています。ものすごい増加率ですよね。政府や観光庁では、2020年までに4,000万人のインバウンドに目標を上方修正したほどです。

なぜ、インバウンドにレンタルバイクが人気なのかというと、旅行形態の変化によるものなのです。ちょっと前までは、中華圏の「爆買い」が大きな話題となり、消費型の旅行がほとんどでした。

最近は体験型にシフトしています。世界最大手の民泊仲介サイト「Airbnb(エアビー)」が活性化しているのも、それが理由です。民泊を通して、さまざまな日本文化の体験を多くのインバウンドが求めているのです。

インバウンドは富裕層も多いです。中華圏でも最近は台湾の富裕層が増加しています。彼らは世界各地を旅行し、高級ホテルや高級リゾートを知り尽くしています。なので、日本の高級ホテルなどは、あまり関心ありません。

そこで体験型の観光として、バイクをレンタルしてツーリングする台湾などの富裕層が増加しています。夏季の伊豆や箱根では、10台前後の台湾のグループがレンタルバイクを利用して、東京からツーリングをするスポットになっています。

同じように北海道でも道東の帯広や釧路、道北の旭川から美瑛や富良野などをコースとした、インバウンド向けのバイクツーリングが盛んです。彼らは日本を体験できることなら、金額に糸目をつけません。北海道のレンタルバイク店でも、AT式のBMWの高級バイクなどを複数台用意して、インバウンドを迎えています。

今後もレンタルバイクを利用したインバウンド向けの体験ツーリングが盛んになりそうです。多くのインバウンドは、ヘルメットに搭載カメラをつけ、帰国後に動画などで自身のメディアなどで発信しています。これが大きなPR効果にもつながり、日本でレンタルバイクを利用したツーリングに注目が集まっているのです。ブームはこれからますます増えていくことが予想されます。

インスタ映えにもレンタルバイクが大活躍

バイクをレンタルする若年層の中には、最近はやりのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)も大きな要因を占めています。いわゆる「フォトジェニック」的な現象で、バイクを絡めた画像をアップします。芸能人や著名人の中でも、バイクをインスタなどのSNSにアップしているケースも少なくないです。

例えば港にバイクを止めて撮影したり、峠などの自然の中でバイクを融合させたりと、非常に趣向を凝らした演出をして、画像をどんどん投稿します。彼らの中にはバイクを次々と変えてみたりするケースもあります。もちろん、レンタルバイクを撮影の道具として登場させているのです。かなり手の込んだ作品づくりといえますよね。

バイクをメインにしているインスタグラマーにとって、レンタルバイクはなくてはならない存在なのです。例えば横浜の倉庫ではアメリカンタイプ、都内の高層ビル群とスポーツタイプ、鎌倉や京都などの古都で車輪がスポークタイプのビンテージバイクなど。状況に応じてバイクを変えて、周囲と同化させたりしています。

最近では「バイク女子」もブームになっています。バイクもファッションアイテムの一部として捉えています。いきなりバイクを購入するよりも、まずはレンタルで最適な一台を見つける女子ライダーも多くいます。

バイク雑誌も最近の傾向では、バイクを通してファッションや小物とのトータルコーディネートが主流になっています。特に最近のスクターのスタイリングは、かなり美的感覚を意識したつくりになっています。そうしたことからも、バイクに乗るという経済的な障壁をなくしてくれるレンタルバイクは、希少価値があるといえます。

まとめ

バイクをレンタルするのは、クルマ以上にさまざまな側面を持っているのが分かります。バイクを購入して楽しむのはもちろん、今まであまりスポットが当たっていなかったレンタルバイクが、少しでも周知されれば、再びブームが戻ってくるかもしれません。

乗りたくても事情があって、バイクから遠ざかっている人も多いかと思います。一度、バイクに乗った方なら、風を切る爽快感と躍動感の楽しさを知っています。手放して数年、数十年たったバイクの感動と魅力は、レンタルで簡単に取り戻すことができます。